前回の記事からだいぶ時間がたってしまい、申し訳ありませんでした。
私が平素からお世話になり、連携をさせていただいている医療・福祉に従事されている皆様へのこのマガジンの発行お知らせ作業に没入しておりました。
やっと、 これを終えましたので、今後は記事のアップに努力をいたします。
また、すでに何人かの読者の方からこのマガジンについてご意見を頂戴いたしました。ありがとうございます。複数の方から「できるだけ記事のボリュームを少なくして読み切りをしやすい形にしてほしい。簡略化しきれなければ、二回に分けると良いのではないか」とご意見を頂戴いたしました。参考にさせていただきます。
では、以下から本編です☆
私は幸いにして、医師になって早い時期からたくさんの地域活動に参加をしてきました。
・行政区の保健所が行っている精神科のデイケアや、地域住民向けの精神保健相談の担当医
・精神疾患を持っている当事者が通所をしたり入所をしている施設の嘱託医
・婦人保護施設や特別養護老人ホームの嘱託医
・不定期な活動として、上記属性の団体や産業保健支援団体、母子生活支援施設、宿泊提供施設等々での市民や利用者、そのご家族、スタッフを対象にした講演会や勉強会等の講師、ファシリテーター
などなどです。
これらの活動では、私にとっての日常業務である「白衣を着て診察室で座って待っている」だけの世界の価値観、現実感が、間違ってはいないけどすべてではない、と強く勉強をさせられました。
私が若い時分にある地域のベテラン保健師さんからその後への奇貨となる言葉をいただきました。
「先生は病院の中の人間だから病院の考え方、行動があるのはわかるし、それは否定しません。でも、それと同じように地域には地域の考え方や現実があるんです。それをわかっていただけるほど、私たちも努力をもっとできるし、当事者への支援も進むと思うのです」
この保健師さんは残念ながらその後、現役のまま病気によって亡くなってしまいました。
今でも私はこの言葉をいただいたときのこの保健師さんの、表情は温和ではあるけれどもしっかりとした口調を忘れていません。
入院している当事者に直接治療や支援をしている者は、ときとして退院を目標とします。でも、地域には地域の支援システムがあり、支援の目標があるのです。
この両者の兼ね合いがうまくいかないと、当事者は「入院治療と地域支援の断層」にはまりこんでしまい、退院したのは良かったけれど、地域で孤立したり服薬をせずに再発をしたりする危険性が高まるでしょう。
私は長年のフィールドワークから、地域における当事者の日常に焦点をあて、当事者が自覚しているかしていないかにかかわらず、そこにある諸問題に私の専門性を活かすことの大切さを学びました。
こうした活動の成果もこのマガジンでは記載をしていきます。
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